マガマガ博覧会

マガマガしいもの紹介

第22回 ソロモンの悪魔11 グシオン

 みなさんご存知、ソロモンの72柱の悪魔、序列第11位のグシオンです。

デモンズキングダムのグシオン。

 

 グシオンは、グイソン、グサインとも呼ばれ、40の軍団を率いる大公爵とされます。また、アガリアレプトの配下ともされるようです。

 その姿は、基本的に不明とされていますが、紫のローブを纏った体格のいい男性、人面の猿、奇妙な青い頭の生物などとされることがあるようです。

 

 我らが世界妖怪図鑑では、アモンの姿がグシオンとして紹介されていました。

世界妖怪図鑑のグシオンの紹介部分。この本を参考にしたその後の妖怪悪魔本にもやや影響が出ています。

 

 悪魔事典では、姿が不明ということで、影のようなデザインでした。

悪魔事典のグシオン。

 

 図解大事典悪魔・天使・精霊では、紫のローブ、人面の猿が反映されたデザインでした。

「図解大事典悪魔・天使・精霊」のグシオン。

 

 ゲームではスマホゲームのFF、メビウスファイナルファンタジーに登場しています。紫のローブの体格のいい男を反映して、紫の光輪等を纏った大男の姿となっています。

メビウスFFのグシオン。

 

 漫画では、よんでますよアザゼルさんに登場。主に猿の姿を反映しています。

よんでますよアザゼルさんのグシオン。

 

 最後に冒頭でも紹介しましたが、のぶさん造形、デモンズキングダムのグシオン全身。

いつもながら素晴らしい造形です。

 

烏珠の闇夜も響むマガマガさ

 

出典

ソフトバンク文庫「「堕天使がわかる」」2008年 ソフトバンククリエイティブ(株)

ビッグジャガーズ「世界妖怪図鑑」1985年

(株)立風書房

悪魔事典」2000年 (株)新紀元社

「図解大事典 悪魔・天使・精霊」2019年 (株)新星出版社

メビウスファイナルファンタジー画集」2016年 (株)スクウェア・エニックス

「よんでますよアザゼルさん3」久保保久 2009年 (株)講談社

第21回 ソロモンの悪魔10 ブエル

 みなさんご存知、ソロモンの72柱の悪魔、序列10位のブエルです。

プランシーの地獄の辞典より。

 

 ブエルは、人馬宮のシンボルまたはヒトデの姿とされていますが、地獄の辞典では、星か車輪のような五本の脚を持ち、自ら転がりつつ前進する、と説明され、同書の挿し絵でライオンの頭に五本のヤギの足を周りに持つ姿で描かれています。

 アスタリスクの姿とされる場合もあり、多くは五芒星を暗示した姿だと言えます。

 

 ブルトンによる地獄の辞典の姿が非常に印象的ですので、ブエルが描かれる時はその姿がほとんどのようです。

悪魔事典のブエル

 

天使・悪魔・妖精イラスト大事典EXのブエル。

 

図解大事典 悪魔・天使・精霊のブエル。王冠や首飾りで装飾され、大悪魔の威厳がうかがえるデザインです。

 

大迫力世界の天使と悪魔大百科のブエル。

回転しながら移動している様が描かれています。

 

ロードオブヴァーミリオンのブエル。足が甲冑じみてカッコいいです。

 

 ゲームではファイナルファンタジーⅧに登場しています。

FF8のブエル。足が羽になり、しかも五本ではなく六本。ちょっとイメージと離れていますが、構図は似せています。

 

 女神転生シリーズではif…と偽典に登場。

真・女神転生if…のブエル。中心の顔が人間になっています。五芒星のペンダントをしているのがニクいですね。

偽典女神転生のブエル。ヒトデ型で同シリーズのデカラビアのようなデザインですが、血管が浮き出たデザインは素晴らしいです。

 

 漫画では、「よんでますよ、アザゼルさん」に登場。

人間の身体に頭としてブエルがつくデザインが面白いです。

 また、「ゲゲゲの鬼太郎」にも登場しています。

ゲゲゲの鬼太郎のブエル。

腕を取り替え、人間を自分の配下の悪魔に変える悪魔として登場していますが、人間バージョンの時はロンパリのオッサンという設定でした。インパクトはありましたが、大悪魔の扱いとしてはなかなかです。

ゲゲゲの鬼太郎での人間の姿のブエル

 

 最後にデモンズクロニクルで立体化されたブエル。

インパクトあるその姿が見事に表現されています。

立体なので、気になる裏側も見ることができます。予想どおり?

 

 

烏珠の闇夜も響むマガマガさ。

 

 

出典

「地獄の辞典」コラン・ド・プランシー 1990年 (株)講談社

悪魔事典」2000年 (株)新紀元社

別冊宝島スペシャル 天使・悪魔・妖精イラスト大事典EX」2011年 (株)宝島社

「図解大事典 悪魔・天使・精霊」2019年 (株)新星出版社

「大迫力世界の天使と悪魔大百科」2019年 (株)西東社

ファイナルファンタジーアルティマニア」1999年 (株)デジキューブ

真・女神転生 悪魔事典」2003年 (株)新紀元社

「よんでますよ、アザゼルさん9」久保保久 2013年 (株)講談社

中公コミックスーリ「ゲゲゲの鬼太郎-悪魔ブエル-」水木しげる 2001年 中央公論新社

第20回 特集 Wホラーシール

 みなさんご存知、Wホラーシールです。私の記憶が確かなら、1988年に集めていましたので、その頃に販売していたものと思います。販売はアマダ印刷で、駄菓子屋のいわゆる引き物。

 

駄菓子屋で売られていたWホラーシール。

 

 当時ビックリマンシールに連なるシールブームで、様々なオマケシールが出回っていました。その中でオムロの謎など結構グロいものもありましたが、このWホラーシールが断トツでした。

 とにかく絵がリアルな上に2枚目の残虐シーン。発禁になってもおかしくないシロモノです。この頃は普通にスプラッター映画をテレビで放送していた時代ではありますが、これが子ども向けに売られていたわけですので、いかに昔のコンプラがおおらかだったか…

 それでは身の毛もよだつ、それぞれのキャラクターを紹介していきます。

 

 ボゾニンです。フードを被った、角のあるトカゲのような姿でヨダレを滴らした舌を出しています。

 実は、このシールはほとんどがゲームブックファイティングファンタジーシリーズのモンスターを元ネタにしていて、このボゾニンも同シリーズの変化を参考に描かれています。

ファイティングファンタジーの運命の森の表紙に描かれている変化。

 小動物や人間の老人に化けて近づき、油断させると言う説明も変化というモンスターの説明と同じです。

 

 ドラモスです。これは、ファイティングファンタジーの血獣を参考に描かれています。

ファイティングファンタジーの血獣。住んでいる沼から動けないことや、本物の目が二つだけという説明も共通しています。

 

 バッドデビルです。元ネタは悪鬼です。名前もなんとなく悪鬼を英語表現にした感じですね。

ファイティングファンタジーの悪鬼。どくろ砂漠にいるモンスターとされ、ここからバッドデビルも砂漠にいるとの説明が付けられています。

 

 ジンゾラです。元ネタは地獄魔人。

ファイティングファンタジーの地獄魔人。魔王からの使命を受けて人界に派遣され、遭遇した人間に化けることができて、普通、化けられた人間は殺され食べられるとの説明があり、ジンゾラの説明の参考にしているのがよくわかります。

 

 デモンです。鬼(オーガー)が元ネタ。

ファイティングファンタジーのオーガー。トロルやゴブリンなど多くの雑種と親戚関係にあり、誰かに使役されるときは、様々な武器を与えられて使うことができるという説明です。デモンの説明にもそれらの言葉が使われていますので、元にしているのがよくわかります。

 

ヤガイー。元ネタは角魔人。

ファイティングファンタジーの角魔人。天候の悪い、闇の深くなる夜に現れて人間の魂を集めるとされるほか、腐りかけた雄羊の頭が両肩から生えているとのイラストどおりの説明があり、そのままヤガイーの説明にも使われています。また、ヤカーとも呼ばれるらしく、ヤガイーの名前の元となっているのが想像に難くありません。

 

 ラッツラです。元ネタはネズミ男。と、言ってもビビビのではありません。

ファイティングファンタジーネズミ男。説明では下水道や廃墟に追いやられ、闇の中で匂いで獲物を追いつめるとされ、ラッツラの説明と共通しているので参考にしていることがわかります。

 

バンバラ、元はハマカイ。

ファイティングファンタジーのハマカイ。その説明の中で、いく世紀も永らえ、萎びた脆弱な体と禿鷹に似た頭部をもち、気むずかしく、気まぐれな性格で、外では目立たない旅装で長い杖をつき、杖には魔法の力があるのが普通である、とあり、参考にしていることがわかります。

 

 コウミン、元はミク。

ファイティングファンタジーのミク。悪戯好きで好戦的であり、遊び半分に人間を殺してしまう、変身能力があり毒蛇に化けた時はその毒も本物のように効いてしまう、と言った説明がコウミンと同じで、元になったことがわかります。

 

 スレイビー、元は魔奴隷。

ファイティングファンタジーの魔奴隷。魔王の召使いであり、赤く光る目と骸骨の外見に修道僧の僧衣のような衣をまとい、剣を持つ相手でも素手でこの世の者ならぬ怪力で応じるとされます。名前は奴隷の英語、スレイブから来ていると思われ、説明はもちろん、目が赤く描かれているなどの外見からも参考にしているのがよくわかります。

 

 ドドキラー、元は幽鬼。

ファイティングファンタジーの幽鬼。黒い頭巾に顔を隠しているが、戦うときは脱ぎ捨てて顔を見せ、その顔は骨の上にぴっちり張り合わされた不気味な黄色味をおびた皮膚、血のように赤い眼下におちくぼんだ目であり、目を合わせた者すべてを金縛りにし、普通の武器は通用しない、との説明が、ドドキラーの絵や説明の参考としているのがよくわかります。

 

 ゾンビ、元ネタも死者(ゾンビー)。

ファイティングファンタジーのゾンビー。説明には、皮膚は傷だらけで剥がれ落ちかけ、衣服はぼろぼろになって体にぶら下がっているだけ、闘いでは結構体力があり、首を締めたりする、とあり参考にしていることがわかります。

 

 グーダ、元ネタは屍鬼(グール)。

ファイティングファンタジーのグール。かつては人間だが、その魂が生と死の境目をさまようおぞましい不死で、墓や納骨所に棲み、特に人間の死体を食べ、鉤爪の生えた手で襲いかかり体を麻痺させる、そうなると食べられるのを待つしかない、との説明でグーダとほぼ同じです。

 

 ゾンゲラ、元は生き骸(むくろ)。

ファイティングファンタジーの生き骸。その説明には、外見はゾンビーと似て腐りかけた死体の形をとり、皮膚が崩れ落ちて臓物や骨がむきだしになっているところもあり、もろく見えるが驚くべき速さで動き、攻撃すると六つに分裂して襲ってくる、とあり、参考にしていることがわかります。

 

 ババゲラ、元はバンシー。

ファイティングファンタジーのバンシー。声は聞かせるがめったに姿を見せない、永眠できずにいる死者の霊で、老爺または老婆の姿で鼻腔と歯は一つしか無く、鱗におおわれた鉤爪の生えた手を持ち、その悲鳴に心を惑わされると恐怖に凍りついて攻撃できなくなる、との説明から参考にしていることがわかります。

 

 ゲロモア、元はファイティングファンターのモンスター、腐れで、このモンスターはカビだらけの異様な骸骨で、骨も目も不健康な黄色。まわりの空気は疫病と腐敗によどみ、攻撃と同時に疫病を背負いこんだ胞子の雲を放出する。腐れ病に感染し、これによって死んだ場合24時間後に新たな腐れとして復活する、との説明があり、参考にしていることがわかります。

 

 ファイヤーゴースト。その説明は、ファイティングファンタジーの火妖を参考にしていて、人間を思わせる小さな体で全身が炎、水をかけても大きく強くする、という部分を特に参考にしているのがわかります。ただし、その姿は、火妖の親戚であるデヴリンを参考にしているかもしれません。

火妖の親戚であるファイティングファンタジーのデヴリンの挿し絵。

 

 ガーゴル、元はガーゴイル

ファイティングファンタジーガーゴイル。その説明は、一般的なガーゴイルのものとさほど変わりませんが、石そっくりの灰色まだらの保護色を持ち、丈夫な皮膚は普通の武器では傷つけられず強靭な剣でも折れてしまう、火を見ると後ずさりする、などの説明をみると、ガーゴルの参考にしているのがわかります。

 

 ウルフーダ。これははいわゆる狼男ですが、これもファイティングファンタジーが元になっています。人狼を含む人獣の説明に、満月の夜に姿を変え、咬まれた人間は高熱を発した後同じ人獣となる、とあり、参考にしていることがわかります。

 

 ベアゾン。これも、ファイティングファンタジーの人獣のなかの人熊の説明に、1~6頭の本物の熊を同行し、熊たちは人熊の命令に従い、めったに腹を立てないが怒らせると怖い、とあり、参考にしていることがわかります。

 

 ドラキュラ、キラシールです。一般的なドラキュラのイメージの説明ですが、ファイティングファンタジーの吸血鬼の説明に、邪悪な魔力と永遠に近い生命を持ち、強力な催眠効果のある視線を使い近づき、長く伸びた歯で首に咬みつく、とあり、参考にしていることがわかります。また、赤い目を持つこともファイティングファンタジーの説明にありますので、目が赤く描かれていることからも参考にしているのがうかがえます。

 ちなみにキラシールは、一束に必ず全種類が入っているわけではないため、結構レアで全部集めるのは大変でした。

 

 メドゥーサ、キラシールです。一般的なメドゥーサの説明であり、ファイティングファンタジーにもメデューサが登場していますが、お互いの説明にそれほど共通する表現はないため、特に参考にはしていないかもしれません。

 

 キョンジン、キラシールです。当時流行していたキョンシーをもじったものであり、ファイティングファンタジーキョンシーは登場しません。説明も映画、霊幻道士の中で表現された一般的なものです。

 

 オーグン、キラシールです。元はオーク。

ファイティングファンタジーのオーク。暗い地底を好み、気に入りの武器は鋸刃の剣、鞭、殻竿、棘つき分銅、槍であり、吐き気をもよおさせる不潔な生き物で、習性もそれにふさわしくおぞましい、とあり、参考にしていることがわかります。

ちなみにファイティングファンタジーの説明の中に、好物の料理はエルフの臓物ノームの血のソースかけであり、これが手に入らない時はネズミの胃のスープやコウモリのカレー煮で我慢する、とあり、オーグンのネズミの血のスープ、ゴキブリのサラダなどはここからの連想だと思われます。

 

 ヘッドマーダー、キラシールです。元ネタは頭脳殺し。

ファイティングファンタジーの頭脳殺し。英語表記ではブレインスレイヤーですので、ヘッドマーダーの名前もこれをもじっています。地底で集団生活し、催眠術で相手を金縛りにし、タコのような触手で包み込み、精神力をむさぼるとされ、参考にしていることがわかります。

ファイティングファンタジーのモンスター事典には、先のモノクロの挿し絵のほか、カラー口絵にもこのモンスターが、まるで某神話の神様のように描かれているのですが、ヘッドマーダーの参考としているのがよくわかります。

モンスター事典の口絵に描かれたブレインスレイヤー。

 

 

 

元ネタも クトゥルフ神話が 元ネタさ

 

 

出典

ファイティングファンタジー モンスター事典」1986年 社会思想社

第19回 ソロモンの悪魔9 パイモン

 みなさんご存知、ソロモンの72柱の悪魔、序列第9位のパイモンです。

プランシー地獄の辞典より

 

 パイモンは、ペイモン、パイモニアとも呼ばれ、プランシーの地獄の辞典ではペイモンで表記されています。

 その姿は女性の顔をした男性で、王冠をかぶり、ヒトコブラクダに乗って現れるとされます。

 また、トランペットやシンバルなどの楽器を携えた精霊たちを先導に現れるとも、バベルとアバラムもしくはラバルとアバリムという二人の王を従えて現れるともされます。

 

 ラクダつながりか世界妖怪図鑑では、ウヴァルの姿がパイモンとして紹介されていました。

 地獄の辞典では、ラクダに乗った姿だけで、精霊などは描かれていません。パイモンの足がガチョウになっていますので人間ではないとわかります。同じようなデザインに悪魔事典のものがありますが、王冠も無く足も普通でただのラクダに乗った人でした。

悪魔事典のデザイン

 

 「「堕天使」がわかる」では、王冠はかぶっていますが、足が普通なのでこれもラクダに乗った王子様って感じですね。

「堕天使」がわかるでのデザイン

 

 天使・悪魔・妖精イラスト大事典EXでは、王冠はないですが、角があるので、オッケー(何が?)。乗っているものがラクダじゃないような気もします。よく見えませんが、周りに精霊たちがいるので、パイモンらしさは出てます。

天使・悪魔・妖精イラスト大事典EXでのデザイン

 

 図解大事典 悪魔・天使・精霊でも背景に溶け込んでいますが楽器を持った精霊たちがいます。ラクダも偉そうに王冠を被っています。

図解大事典 悪魔・天使・精霊でのデザイン

 

 大迫力!世界の天使と悪魔大百科では、精霊たちがきちんと描かれています。

大迫力!世界の天使と悪魔大百科のデザイン

 

 幻想悪魔大図鑑では、雰囲気バッチリの姿で良いです。

幻想悪魔大図鑑のデザイン

 

 この悪魔は女性のような男性とのことでしたが、源神やパズドラでのデザインはほぼ女性の姿で、真・女神転生デビルチルドレンでも女性として描かれていると思います。アニメ版の声優も女性でしたし、オネエ役はフェンリルで別にいましたし。

デビチルのデザイン

 

 最後に、真・女神転生デビルサマナーでのデザインは良いですね。

真・女神転生デビルサマナーのデザイン

 

 

烏珠の闇夜も響むマガマガさ

 

 

出典

悪魔事典」2000年 (株)新紀元社

「「堕天使」がわかる」2008年 ソフトバンククリエイティブ(株)

「天使・悪魔・妖精イラスト大事典EX」2011年 (株)宝島社

「図解大事典 悪魔・天使・精霊」2019年 (株)新星出版社

「大迫力!世界の天使と悪魔大百科」2019年 (株)西東社

「幻想悪魔大図鑑」2019年 (株)カンゼン

「地獄の辞典」コラン・ド・プランシー 1990年 (株)講談社

「公式本 真・女神転生 デビルチルドレンカードゲーム 完全解析の書」2001年 (株)講談社

金子一馬グラフィックス万魔殿下巻」2002年 アトラス

第18回 ソロモンの悪魔8 バルバトス

 みなさんご存知、ソロモンの72柱の悪魔、序列第8位のバルバトスです。

プランシーの悪魔の辞典より。

 

 バルバトスは、狩人の姿で、トランペットを持った4人の王を従えて現れるとされています。また、4人の王だけでなく、それらが従える軍隊を伴って現れる場合があるともされています。

 先のプランシーの地獄の辞典では、トランペットは3つで表現されていました。

 最近では鉄血のロボットが有名ですが、同じようにゲームなどではよくキャラクターの名前として使われることが多く、悪魔としてはあまり登場しないように感じられます。

 我らが幻想生物のバイブル、「世界妖怪図鑑」では、4人の王からの連想か、4人の姿で現れ、どれが本物かわからないという説明でした。

「世界妖怪図鑑」のバルバトス。

 

 これは、フランスの「お望みの場所への旅」という物語本の、トニー・ジョアノによる挿し絵を使っています。

物語本の挿し絵

 

 伝えられる姿をほぼ忠実に描いているのは、図解大事典 悪魔・天使・精霊です。

 動物の王?でしょうか。4匹がそれぞれトランペットを咥えて狩人の周りに配置されています。

 

 真・女神転生でも、姿はないもののトランペットは4つありました。

真・女神転生デビルサマナーのデザイン。

 

 悪魔事典ではトランペットは2つでした。

悪魔事典でのデザイン。

 

 最後にのぶさん造形、デモンズキングダムのバルバトス。

 プランシーの地獄の辞典を基本にしていますので、トランペットは3つです。狩人の姿にしっぽが付いているのがニクい造形です。

 

 

 

烏珠ノ闇夜モ響ム禍々サ。

 

 

出典

ジャガーバックス「世界妖怪図鑑」佐藤有文  1973年 立風書房

悪魔事典」2000年 (株)新紀元社

「図解大事典 悪魔・天使・精霊」2019年 (株)新星出版社

「地獄の辞典」コラン・ド・プランシー 1990年 (株)講談社

金子一馬グラフィックス万魔殿下巻」2002年 アトラス

「Voyage ou il vous plaira」1953年

 

 

第17回 ソロモンの悪魔7 アモン

 みなさんご存知、ソロモンの72柱の悪魔、序列第7位のアモンです。

プランシーの地獄の辞典より。

 

 アモンは、狼の姿にヘビの尾、または、犬歯を持つワタリガラスゴイサギの頭を持つ人間の姿とされていますが、地獄の辞典ではフクロウの頭に狼の身体、ヘビの尾という姿で挿し絵が付けられ、その姿が一般的になっています。

 エジプトの神、アメンまたはアマンがその紀元と考えられています。

 よく、七つの大罪の強欲を司る悪魔のマモンと同一視されますが、こちらはシリア語の富という言葉がもとになっていますので、別の悪魔だと思われます。

 この悪魔は、日本が誇る名作、永井豪先生の「デビルマン」で、不動明が合体する悪魔でもあったので、この作品で名前を知った方も多いと思います。

 また、我らが幻想生物のバイブル、「世界妖怪図鑑」では、グシオンの名前で地獄の事典のアモンの絵が紹介されていましたので、その姿からグシオンを連想する方もいるかもしれません。

 なんにせよ地獄の事典のデザインは、非常に秀逸で、かなりのインパクトを持っています。

 そのためか、この姿を周到し同じデザインで紹介されることが多いです。

悪魔事典でのアモン。

 

 さらに、若干の派生として、狼の身体に後ろ足もあるデザインもよく見られます。

幻想世界の住人たちでのデザイン。

 

悪魔・天使・精霊図解大事典でのデザイン。

 

 そのほか、身体が人間のものも見られます。

ゼロからわかる悪魔事典のデザイン。

 

RPG幻想事典モンスター編2のデザイン。

 

 地獄の事典の基本デザインに翼を着けただけのものを見た時は、シンプルなのにバランスが良く、非常に感銘を受けた憶えがあります。その最初に出会ったものがSFC版の半熟英雄です。

半熟英雄のアモン。

 

幻想悪魔大図鑑のデザイン。

 

 このスマートなデザインが真・女神転生でも起用され、ストレンジジャーニー(DEEP)、Ⅴでカッコ良く登場しました。

真・女神転生Ⅴのデザイン。

 

 しかしながら、もともと女神転生Ⅱや偽典女神転生では、狼の姿でした。

女神転生Ⅱのデザイン。

 

 この後、真・女神転生ifには、基本の姿で登場します。

真・女神転生ifのデザイン。

 

 その他パズドラでは人の身体、羽、ヘビの尾、フクロウの頭でなかなか豪華でした。

パズドラのデザイン。

 

 最後にデモンズクロニクルのアモン。

 金色の目など、色使いが素晴らしい!

 

 

ヌバタマノヤミヨモトヨムマガマガサ

 

 

出典

「幻想世界の住人たちⅡ」1989年 (株)新紀元社

「地獄の辞典」コラン・ド・プランシー 1990年 (株)講談社

「デジタルデビル物語女神転生Ⅱ必勝攻略法」1990年 (株)双葉社

悪魔事典」2000年 (株)新紀元社

半熟英雄ああ世界よ半熟なれ…!!てきぱきクッキングガイド」2002年 (株)デジキューブ

「新説RPG幻想事典~モンスター編2~」村山誠一郎 2009年 ソフトバンククリエイティブ(株)

「パズル&ドラゴンズ イラストレーションズ 究極」2015年 (株)KADOKAWA-DWANGO

「幻想悪魔大図鑑」2019年 (株)カンゼン

「図解大事典 悪魔・天使・精霊」2019年 (株)新星出版社

「ゼロからわかる悪魔事典」2021年 (株)イースト・プレス

「悪魔真鑑」2021年 (株)アトラス

 

 

第16回 ソロモンの悪魔6 ウァレフォル

 みなさんご存知、ソロモンの72柱の悪魔、序列第6位のウァレフォルです。

 

 新紀元社悪魔事典のデザイン。

 

 ウァレフォルは、ヴァラファール、ヴァレファール、マラファル、マレファルとも呼ばれ、その姿は、人間かロバの頭を持ったライオン、もしくはライオンの頭にガチョウの足、ウサギの尾を持つとされます。盗賊と関連が深いらしいです。

 冒頭の新紀元社悪魔事典は後者のデザインですね。

 

 しかし、世界妖怪図鑑ではバレフールの名前で、黙示録の獣と思われる絵が使われていました。

世界妖怪図鑑のバレフール。

 

 

 これを受け、ゲーム女神転生ヒドラと同じデザインで登場しています。

 女神転生のバレフール。何事も見かけで判断してはいけません。その姿から想像もできない高い知性だそうです。

 

 女神転生の派生ゲーム、魔神転生では、羽もついてキングギドラ的に。

 攻略本ではアポフィスと同形として紹介されています。

 

 他のゲームでは、FFXに最初の召喚獣として、ヴァルファーレの名前で登場していました。

 FFクリーチャーのヴァルファーレ。カラフルなワイバーンのようなデザインになっていました。

 ただ、同シリーズのFFⅢでは、バルフレーの名前でヒョウとトカゲを合わせたデザインで登場していました。

 トカゲ人間でさらに手が蛇。

 

 「図解大事典 悪魔・天使・精霊」では、ロバの頭の方のデザイン。

 手足はアヒル、尾はウサギなので色々混ざってのデザインです。

 

 

洋書でもロバの頭のデザイン。

 

 最後にのぶさん造形、デモンズキングダムのウァレフォル。

 ロバの頭にライオンの方の姿です。特にポージングが素晴らしい!

 

 

 

烏珠の闇夜も響むマガマガさ。

 

 

出典
ジャガーバックス「世界妖怪図鑑」佐藤有文 1973年 立風書房
悪魔事典」2000年 (株)新紀元社

「デジタル・デビル物語女神転生必勝攻略法完璧版」1990年 (株)双葉社

魔神転生攻略ガイドブック」1994年 (株)小学館

「ファイルファンジーⅢ第3巻完全攻略編下」1990年 NTT出版(株)


「図解大事典 悪魔・天使・精霊」2019年 (株)新星出版社

「The Complete Illustrated Grand Grimoire, or the Red Dragon」