みなさんご存知、バックベアード様です。
ゲゲゲの鬼太郎に西洋妖怪のボスとして何度も登場しているバックベアード様です。
故・水木しげる先生の漫画に登場し、その後妖怪図鑑、アニメなどで有名になっていきました。
その巨大な目を見た者は、狂ってしまうという最大の能力がありますが、ゲゲゲの鬼太郎の中では同時にその目が弱点となっています。
しかし、最初はもっと違う姿だったようです。
1965年少年ブック8月号の世界の幽霊おばけ特集が初出と思われ、昆虫の目の別名として、バックベアードの言葉がでてきています。
この時は複眼にヒゲといったデザインでした。アメリカ、イギリスの妖怪とされているところから、イギリスの悪い子どもがいると、さらいに来るとされるバクベアが名前の由来ではないかと推察されています。
その視線が人を狂わすという能力が、この時すでに付加されています。
その後、1966年少年ブック8月号付録、怪獣妖怪大行進に再び掲載されています。
こちらも、昆虫の目の姿ですが、バックベアードの名前がメインになっています。
さて、ゲゲゲの鬼太郎のバックベアードのデザインですが、故・水木先生の1966年の週刊漫画天国に掲載された怪物マチコミが先のようです。
金持ちにしてくれるかわりに、ひとの才能を枯渇させる怪物として登場しています。
さて、マチコミは、1964年アサヒカメラ4月号に掲載された内藤正敏氏の作品、キメラを元にデザインされたと考えられています。
このキメラの他にも、オディロン・ルドンの作品も参考にしているかもしれません。
これら昆虫の目としてのバックベアードと、マチコミに連なるデザインが合わさり、ゲゲゲの鬼太郎でのバックベアードが誕生したと考えられます。
ゲーム、真・女神転生には新たなデザインで登場していました。
色もオレンジ色で画期的です。
最近はアニメ、ゲゲゲの鬼太郎の6期で衝撃的な姿で登場しています。
パッと見はややまつ毛増量したくらいの姿で、これまでとそれほど変わりません。
と、思いきや、
なんと、薄く2次元的な姿で影のような存在に!これまでにない、スバラシイ表現!
さらに驚愕したのが、
ベアード様が人型!?1つ目タイタン?これは衝撃でした。千年ぶりにこの姿になったらしいです。
そして最後は、
こんな感じで目が増えます。
烏珠の闇夜も響むマガマガさ
出典
「妖怪世界編入門」1978年 小学館
「少年ブック8月号」1965年 集英社
「怪獣妖怪大行進」1966年 集英社
「水木しげる妖怪傑作選3」1996年 中央公論新社
「アサヒカメラ 4月号」1964年 朝日新聞社
「ルドンの黒」2007年 Bunkamura
「金子一馬画集 Ⅰ」2004年 新紀元社
「ゲゲゲの鬼太郎」2018年 東映アニメーション