みなさんご存知、ヴィーです。
東スラブ神話に登場する悪魔で死の目をもっていますが、自分で開けることができません。その目を見た者は目を醒ますことがてきず死に至るとされ、さらには村や町をその視線で滅ぼすことができるとされます。(Wikipediaより)
この悪魔、クリーチャーを一躍有名にしたのが、1967年ロシア(当時はソビエト連邦)で発表された、邦題「妖婆死棺の呪い」という映画です。劇作家であるゴーゴリの脚本をもとに制作され、着ぐるみによる特撮で表現されました。
その話の中でヴィーは、チョークで床に書いた結界としてのサークルの中で祈りをささげる主人公を見つけることができないでいた魔女に呼び出され、瞼をあけてもらうことにより、主人公を見つけるという役回りで登場しています。
ちなみにこの映画で、美しい魔女が棺桶に乗って宙に浮き、無表情で主人公を探しているシーンは、不気味な様が非常によく表現され、素晴らしかったです。
この映画を元に、日本で紹介されたのが、1973年、ジャガーバックス世界妖怪図鑑です。
地底魔王という位置付けになり、瞼や目についてはなんの解説もなく、ロシアの魔王として、現れると魔女に力を与える存在と紹介されています。やや眠そうな表情が瞼が重いという名残りでしょうか。
しかし、その絵の右上には棺桶に乗った死美人の魔女が描かれ、例の映画が元になっているのがわかります。
そして1981年のコロタン文庫、世界の妖怪全百科で紹介されたのがこちら。
目が一つになり、よりその眼力が強調され、ステキな表現だなと思います。説明も映画の内容そのものになっています。
しかし、1987年、ビッグコロタン、妖怪大図鑑では、先のコロタン文庫と同じ小学館にもかかわらず、映画と違った説明に。
これは、著者がビッグジャガーズと同じ、故·佐藤有文さんなので、納得です。
1975年刊行の、東西妖怪図会が初出かと思われますが、偉大な妖怪絵師、故·水木しげる先生もヴィイの姿を描いています。
画像はカラーの方で、水木しげる漫画大全集、媒体別妖怪画報集Ⅰより、1994年ヤングジャンプ掲載のものです。映画のイメージで描かれていますが、説明は地中に棲む老人の姿の妖怪や、死んだ娘にとり憑くなど、やや映画と違っている部分があります。絵にはハッキリとした姿はわかりませんが、光る目がそうだと思われ、ふたつの目が描かれています。
2000年に新紀元社から刊行された悪魔事典では、映画や伝承の姿に近い姿で描かれています。
ゲームでは、女神転生に一つ目生首の姿で登場しています。
さて、映画「妖婆死棺の呪い」は、2014年に「レジェンドオブヴィー」として、内容はアレンジされてちょっと違いますが、リメイクされています。その中で主人公はヴィーに出会うのですが、その姿はこれまでにない、新たなデザインとなっています。
その目が虫の複眼のように沢山ついて、その禍々しさが強調されています。
さらに、2018年に公開された「魔界探偵ゴーゴリ」シリーズの魔女の呪いと妖怪ヴィーの召還にも登場しています。
巨大な土の精と言った感じでしょうか。
目がひとつで世界の妖怪全百科に近いデザインです。
烏珠の闇夜も響むマガマガさ
出典
Wikipedia
「妖婆 死棺の呪い」1967年 ロシア
ジャガーバックス「世界妖怪図鑑」佐藤有文 立風書房 1973年
「世界の妖怪全百科」1981年 小学館
ビッグコロタン「妖怪大図鑑」1987年 小学館
水木しげる漫画大全集「媒体別妖怪画報集Ⅰ」2016年 (株)講談社
「悪魔事典」2000年 (株)新紀元社
「レジェンドオブヴィー 妖怪村と秘密の棺」2014年 ロシア
「魔界探偵ゴーゴリ 魔女の呪いと妖怪ヴィーの召還」2018年 ロシア
「女神転生必勝攻略法完璧版」1990年 (株)双葉社